「免許を持っている=バイクに乗れる」ではない。
それを痛感するところから始まった話です。
約5年間、計50回。
鈴鹿サーキット交通教育センターのHMS(ホンダ・ライディング・スクール)に通い続けた記録をまとめてみました。
上手く乗れなくて悩んでいたリターンライダーが、どんな経緯で「そこそこ乗れる」ようになったのか。4つの段階で整理してみました。
第1段階:わかってる、でも力が抜けない(#001〜#010)
最初は転倒の恐怖や力みとの戦いでした。
教習所では教わらない「身体全体を使うスポーツ」としてのバイクを理解する時期です。
- 「手」から「下半身」へ:
ハンドルを握りしめる腕の力を抜き、「ニーグリップ」や「くるぶしホールド」で車体を支える感覚を覚えました。 - おへその向き:
旋回時に「おへそをターンの方向に向ける」だけで、バイクが自然に内側へ向きを変え始める不思議を体験しました。 - 尾てい骨の意識:
ブレーキングで体が前に突っ込まないよう、「尾てい骨をシートに突き刺す」イメージでリアタイヤに荷重を乗せる感覚を掴みました。
第2段階:バラバラだった操作が、つながってきた(#011〜#025)
それまでバラバラだった操作が、少しずつつながってきた時期です。
- ブレーキの「リリース」が主役:
ブレーキを「かける」ことよりも、旋回に合わせて「徐々に緩める(リリース)」タイミングに集中し、フロントサスの伸びを制御する感覚を掴みました。 - 目線の先送り(2つ先を見る):
目の前のパイロンではなく、「立ち上がりの加速ポイント」や「次の次」を早めに睨みつけることで、走りのリズムが改善しました。 - ミリ単位のアクセル管理:
1速ギアのギクシャクを抑えるため、アクセルを全閉にせず「遊びを取ったまま一定に保つ(パーシャル)」繊細な操作を学びました。
第3段階:タイヤを路面に押さえつける感覚がわかってきた(#026〜#040)
バイクの重さやサスペンションの動きを、力でねじ伏せるんじゃなくて、うまく使えるようになってきた時期です。
- フロントの「接地感」:
インストラクターとの同乗走行を通じ、「フロントタイヤが路面に突き刺さるような感覚」から鋭く旋回する感触を目標に据えました。 - 傾けながらのブレーキング:
直線でブレーキを終わらせず、「バイクを傾けながらブレーキを残す」ことで、旋回半径をじわじわと小さくコントロールする楽しさを知りました。 - 旋回軸の意識:
速度に合わせて「旋回軸を斜め前に倒す」イメージを持つことで、深いバンク角でも安定して回れる感覚を掴みました。
第4段階:自分はきっかけ、あとはバイクに任せる(#041〜#050)
50回近くなってくると、一つ一つの操作をあまり考えなくなってきました。それよりも、バイクの動きを邪魔しないことの方が大事だと気づいてきた時期です。
- 「点」から「ゾーン」の意識:
減速と加速を明確に分けるのではなく、「徐々に減速を解きながら、徐々に加速へと移行する」というグラデーション(ゾーン)の意識で、走りのギクシャクが消えました。 - 頂点での脱力:
ターンの最も深いところで一瞬「両腕を完全に脱力」させると、バイクがもう一回りグイッと内側へ回り込む感覚を味わいました。 - バイクを邪魔しない:
「自分がどう動かすか」ではなく、「バイクが自然に動こうとするのを邪魔しない」ポジションと脱力が、一番安定していることに気づきました。
これから上手くなりたい方へ
上達は直線じゃないと思います。
できたと思ったら次の回に忘れてて、またできて、また忘れる。
そんな繰り返しでした。
雨の日に「あれ、思ったより滑らない」と気づいたり、転んで「ここまでは大丈夫」とわかったり。怖さって、乗り続けることでしか薄れていかないんだなと。
50回から100回は、もっと言葉にしにくい感覚を、自分なりに残していければと思っています。
















































