HMSで50回学んだバイク上達のステップと身体感覚の記録

この記事は約8分で読めます。
広告

免許を持っていても、すぐに「うまく乗れる」わけではありません。

私は今の愛車を手に入れて、自分の運転レベルではバイクが可哀想だと感じました。
そこで、約5年間・計50回以上、HMS(ホンダ・ライディング・スクール)に通い続けました。

その中で学んだことを、身体感覚を言葉にすることに重点を置きながら、4つの段階にまとめています。

これは単なる技術向上の記録ではなく、
「バイクと自分がどう対話するか」を探った感覚の変化の記録でもあります。

第1段階:バイクという「異物」との格闘

〜ハンドルにしがみつく自分からの卒業〜

最初のころは、免許を取り立てで
「うまく走らなきゃ!」という力みと、
転倒への恐怖に支配されていました。

「手」から「下半身」へ

加速や減速のGに耐えるために、
それまで力いっぱい握っていたハンドルの腕の力を抜きます。

代わりに、膝(ニーグリップ)やくるぶしで車体をホールドする感覚を少しずつ覚えていきます。

おへその向き

旋回するときに、おへそをターンの方向に向けるだけで
それまで怖かったバイクが自然と内側に向きを変え始める不思議を体験します。

尾てい骨の意識

ブレーキをかけたときに体が前に突っ込まないよう、
尾てい骨をシートに突き刺すイメージでリアタイヤに荷重を乗せます。

これによって、制動が安定する感覚をつかめます。

第2段階:点と点が繋がる「連動」の発見

〜「止めるブレーキ」から「曲がるブレーキ」へ〜

この段階では、操作をバラバラな「点」としてではなく、
一連の流れとして捉え始めます。

ブレーキの「リリース」が主役

ブレーキをかけることよりも、
旋回に合わせて徐々に緩める(リリース)タイミングに意識を集中します。

これにより、フロントサスペンションの伸びをコントロールし、
バイクが自然に曲がろうとする感覚、いわゆるセルフステアをつかめるようになります。

目線の先送り(先行動作)

目の前のパイロンばかりを見るのではなく、
「2つ先のターン」や「立ち上がりの加速ポイント」を早めに見ることで、
走りのリズムがぐっと改善します。

ミリ単位のアクセル管理

1速ギアでのギクシャクを抑えるために、
アクセルを全閉にせず、「遊びを取ったまま一定に保つ(パーシャル)」
という繊細な操作を学びます。

第3段階:物理特性を味方につける

〜フロントタイヤを路面に「刺す」感覚〜

この段階では、バイクの重さやサスペンションの動きを、
最小限の力で最大限に活かすことを意識します。

フロントの接地感

3rdテクニカルでのタンデム体験などを通して、
「フロントタイヤが路面に突き刺さるような感覚」から
鋭く旋回する感触を目標に据えます。

傾けたままのブレーキング

直線でブレーキを終わらせるのではなく、
「バイクを傾けながらブレーキを残す」ことで、
旋回半径をじわじわと小さくコントロールする楽しさを体感します。

旋回軸の意識

腰を中心に垂直な軸を回すのではなく、
速度に合わせて「軸を斜め前に倒す」ことで、
深いバンク角でも安定して旋回できる感覚をつかみます。

第4段階:感覚の統合と「聖域」への入り口

〜「点」から「ゾーン」へ、バイクと溶け合う〜

50回の節目を迎え、操作が意識せずとも自然にできるようになり、
バイクの動きに自分が合わせる感覚に近づきます。

ボトムスピードの極小化

旋回中の「待ち時間(最低速度の区間)」をできるだけ短くするために、
早めに力を抜き、アクセルを開けることを意識します。

「点」から「ゾーン」の意識

減速と加速をはっきり分けるのではなく、
「徐々に減速を解きながら、徐々に加速へと移行する」
というグラデーション(ゾーン)の感覚で走ることで、
走りのギクシャクが自然と消えていきます。

バイクを邪魔しない

最終的には、「自分がどう動かすか」ではなく、
「バイクが自然に動こうとするのを邪魔しない」ポジションと脱力が、
最も速く安定して走るコツだと気づきます。

自分が上手くなるために大切にしたこと

「タイヤを信じる」

冬のドライ路面よりも、雨の路面のほうが意外と滑らないこともあります。
ABSを作動させて、「ここまでなら大丈夫」という限界を知ることで、
恐怖心を技術に変えられる瞬間があります。

「成長は螺旋階段」

前回できたことが突然できなくなることもあります。
でもそれは、新しい課題(目線やポジションのズレ)が見つかった証拠です。

「自分なりの言葉で残す」

インストラクターの言葉(「聖域」や「タイヤを転がす」など)を、
自分の身体感覚と結びつけてメモし続けることが、
上達への最短ルートになります。

50回から100回にかけては、
さらに深い、「言葉にできない感覚」を言語化していく段階になるはずです。

継続することこそ、バイクとの本当の信頼関係を築く鍵になります。

タイトルとURLをコピーしました