圧入計算ツール
はめあい・圧入計算ツール
はめあい公差(穴と軸の関係)
機械設計では、穴と軸を組み合わせて部品を固定したり回転させたりします。
このとき重要になるのがはめあい公差(fit tolerance)です。
穴と軸の寸法差によって、次のような状態が決まります。
- すきまばめ(クリアランスフィット)
- 中間ばめ
- しまりばめ(インターフェアランスフィット)
穴と軸の精度等級
穴と軸の寸法精度は精度等級(IT等級)で管理されます。
精度等級は
1等級 ~ 18等級
に区分されています。
一般的な機械設計でよく使われるのは
6級 ~ 10級
あたりです。
目安としては次の通りです。
| 等級 | 用途の目安 |
|---|---|
| IT5〜IT6 | 精密機械 |
| IT6〜IT7 | 一般機械 |
| IT7〜IT8 | 通常の機械部品 |
| IT9〜IT10 | 粗めの部品 |
よく使われる穴公差
実務でよく使われる穴基準の組み合わせを紹介します。
すきまばめ(H7 g6)
穴公差:H7
軸公差:g6
特徴
- ほとんどガタのない精密な嵌め合い
- 回転部品などでよく使用
用途例
- 軸受まわり
- 精密な位置決め部品
しまりばめ(H7 P6 / H7 R6)
穴公差:H7
軸公差
- P6
- R6
特徴
P6
→ P6/R6より少し緩い圧入
R6
→ 一般的なしまりばめ
用途例
- ギア
- プーリー
- ベアリング固定
すきまばめとしまりばめの使い分け
ベアリング設計では次の考え方が基本です。
回転側(荷重が回る側)
しまりばめ
理由
荷重が回ると内輪が空転しやすいため
静止側
すきまばめ
理由
分解や整備がしやすくなるため
はめあい公差表について
はめあい公差の詳細な数値は
JIS規格の一覧表で確認します。
代表的な組み合わせ
- H7 / g6
- H7 / h6
- H7 / p6
- H7 / r6
などが実務でよく使用されます。
H7がよく使われる理由
機械設計では、穴公差として H7 が非常によく使われます。
理由は主に次の3つです。
1. 穴基準方式(Hole Basis System)が基本だから
多くの設計では 穴基準方式 が採用されています。
これは
穴の公差を固定して、軸側の公差で嵌め合いを調整する方法です。
Hは
基準寸法からマイナス側に公差がない
という特徴があります。
つまり
穴径
基準寸法 ~ プラス側
だけで構成されます。
そのため、設計や加工で扱いやすい公差になっています。
2. 加工方法との相性が良い
穴加工は通常
- ドリル
- リーマ
- ボーリング
などで加工されます。
特に リーマ仕上げの標準精度がH7付近 になるため、
追加コストをかけずに安定して加工できます。
つまり
「普通に加工するとH7くらいになる」
というのが実務的な理由です。
3. 軸公差を変えるだけで多くの嵌め合いが作れる
H7は、軸側の公差を変えるだけで
様々な嵌め合いを作れます。
例
| 嵌め合い | 組み合わせ |
|---|---|
| すきまばめ | H7 / g6 |
| 軽いすきま | H7 / h6 |
| 中間ばめ | H7 / k6 |
| 軽い圧入 | H7 / p6 |
| しまりばめ | H7 / r6 |
つまり
H7を基準にすれば設計がシンプルになる
というメリットがあります。
まとめ
H7がよく使われる理由
- 穴基準方式に適している
- 一般的な加工方法で実現しやすい
- 軸公差を変えるだけで様々な嵌め合いが作れる
このため、機械設計では
「迷ったらH7」
と言われるほど標準的な穴公差になっています。
現場でよく使うはめあい早見表
穴基準方式(H基準)で、現場でよく使われる組み合わせです。
| はめあい種類 | 穴公差 | 軸公差 | 特徴 | 使用例 |
|---|---|---|---|---|
| ゆるいすきまばめ | H7 | f7 | 少しガタあり | 手で抜き差しする部品 |
| 精密すきまばめ | H7 | g6 | ガタが少ない | 回転軸 |
| 基準ばめ | H7 | h6 | 標準的 | 位置決め |
| 中間ばめ | H7 | k6 | 軽い締まり | 軽圧入 |
| 軽い圧入 | H7 | p6 | 圧入必要 | ギア |
| しまりばめ | H7 | r6 | 強い圧入 | プーリー |
多くの設計では
H7を固定して軸側を変更する
という考え方をします。
ベアリングはめあい早見表
ベアリングは荷重条件によって
すきまばめとしまりばめを使い分けます。
基本ルール
回転荷重 → しまりばめ
静止荷重 → すきまばめ
内輪(軸側)
| 荷重状態 | 推奨はめあい | 備考 |
|---|---|---|
| 軽荷重 | H7 g6 | 一般用途 |
| 回転荷重 | H7 k6 | 軽い締まり |
| 中荷重 | H7 m6 | 一般的 |
| 重荷重 | H7 p6 | 圧入 |
外輪(ハウジング)
| 荷重状態 | 推奨はめあい | 備考 |
|---|---|---|
| 静止荷重 | H7 | すきまばめ |
| 軽荷重 | H7 h6 | 軽い拘束 |
| 回転荷重 | H7 k6 | 緩み防止 |