カメラをいじっていて、ふと思ったんです。
「F値って数字が半分になったら、明るさは倍なの?」
直感的にはそんな気がしますよね。でも実際はちょっと違うんです。この記事では、F値と光の量の本当の関係を整理してみます。
F値の基本
F値は、
F値 = レンズの焦点距離 ÷ 開口径(レンズの口径)
で決まります。つまり レンズの穴の大きさを示す数字。
数字が小さいと穴が大きく、光がたくさん入ります。数字が大きいと穴が小さく、光が少なく入ります。
ここで重要なのは、光の量はF値の二乗に反比例するということ。
- F値が半分になると光は4倍
- F値が2倍になると光は1/4
となります。
1段(ストップ)の考え方
写真では「1段(ストップ)」という単位をよく使います。1段変えると、光の量はちょうど2倍か1/2になります。
よく出てくるF値の並びはこんな感じ:
F1.0 → F1.4 → F2.0 → F2.8 → F4.0 → F5.6 → F8 → F11 → F16 → F22
それぞれ隣の数字に移動するたびに、光の量は2倍/1/2に変わります。
1/3段刻みで見るとこうなる
実際のカメラでは「1/3段刻み」で設定できることが多いので、表にしてみました。F4を基準(=1)にしています。
F値 | 相対光量(F4=1) |
---|---|
1.2 | 11.1 |
1.4 | 8.0 |
1.6 | 6.25 |
1.8 | 4.94 |
2.0 | 4.0 |
2.2 | 3.31 |
2.5 | 2.56 |
2.8 | 2.0 |
3.2 | 1.56 |
3.5 | 1.31 |
4.0 | 1.0 |
4.5 | 0.79 |
5.0 | 0.64 |
5.6 | 0.5 |
6.3 | 0.40 |
7.1 | 0.31 |
8.0 | 0.25 |
9.0 | 0.20 |
10 | 0.16 |
11 | 0.13 |
13 | 0.094 |
14 | 0.081 |
16 | 0.063 |
18 | 0.049 |
20 | 0.040 |
22 | 0.033 |
視覚的に見るともっとわかりやすい
グラフにすると一目瞭然です。左に行くほど光がドバッと入り、右に行くほどチョロチョロしか入らないのが直感的に伝わります。

まとめ
- F値は数字が小さいほど明るい
- 光量はF値の二乗に反比例する
- 1段変えると光量はちょうど半分か倍になる
- 実際のカメラ設定では1/3段刻みが多い
F値の仕組みを理解すると、露出設定が「感覚」ではなく「理屈」でわかるようになります。撮影時の迷いがぐっと減りますよ。