フロントブレーキが怖いあなたへ──安心して握れるようになる練習法

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先日、鈴鹿サーキット交通教育センターでのレッスンに参加してきました。
最近の課題は、「ターン時の失速をなくすこと」。そのために、ターン侵入のブレーキ操作をあれこれ試しているうち、ふと昔のことを思い出しました。

「ちゃんと効かせる」って、どういうこと?

バイクのフロントブレーキ、怖くないですか?

私も昔は、「どこまで握っていいかわからない」タイプでした。
軽く触れただけでガツンと効いてビックリしたり、支えきれず腕が突っ張ってしまったり…。

でもね、
フロントブレーキがどれくらい効いて、このスピードならどこで止まれるか——
その感覚がつかめると、スピードを出すことも、もっと自由にバイクを操ることも、怖くなくなります。

教習所で見かけた、ちょっと切ないシーン

ある雨の日、娘が通っていた教習所を見学していたときのこと。
急制動の練習中、教習生がフロントをロックさせて転倒。さらにもう一度、また転倒…。

たぶん「もっと強く握って」と言われて、真面目にその通りにやったんだと思います。
でもこれ、フロントブレーキに慣れていない人には、かなり怖い体験だったはず。

「強く握る」は半分正解、半分間違い

ブレーキ操作のキモは、「いつ・どれだけ・どうやって握るか」。
私が意識しているのは、

ゆっくり強く握って、ゆっくり緩める。

ただし、のんびり構えていたら止まりません。これは「一瞬の中での緩急」の話です。

フロントブレーキをかけ始めた瞬間、タイヤにはまだ荷重が乗っていません。
この状態でガツン!と握ると、簡単にロックしてしまいます。

だからまずは、「ほんの一瞬」だけ我慢。
優しくジワッと握り始めて、前へ荷重が移ってサスペンションが沈んでいく流れに合わせて、握り込んでいくイメージ。

ABSが作動するくらいまで強く握っても、荷重がしっかりかかっていれば、タイヤは簡単にはロックしません。

タイヤのグリップは荷重で決まる

ちょっと理屈っぽくなりますが——
タイヤのグリップ力は、「荷重」に比例します。

ブレーキをかけると、フロントフォークが沈み込みますよね?
あれは荷重が前に移動している証拠です。

この“荷重移動の途中”で強く握ってしまうと、
まだグリップが弱いタイミングで制動力だけが先に出てしまうため、ロックしてしまうんです。

フロントブレーキが怖くなくなる練習方法

1. 優しく、じわっと握る

まずは焦らず、フロントタイヤに荷重がかかるのを待ちましょう。
具体的には、フロントサスが「スコッ」と沈むタイミングに合わせて、握り込んでいく感じです。
フロントサスさんとの共同作業です。

2. 「強く握る」感覚を覚える

最初は、少し時間をかけて力を込めていきましょう。
強く握ること自体が怖い人も多いので、まずはしっかり握り込んで、タイヤが地面を押さえる感覚を知ることから。

制動距離が多少伸びてもOK。まずは力の入れ方を体に覚えさせます。

3. タイミングを早めていく

慣れてきたら、サスペンションの動きとタイミングを合わせて、早めに握り始める練習を。
これによって、制動距離をどんどん短くできるようになります。

4. 一定の強さを保つブレーキ操作へ

ここまでで、短い距離でしっかり止まる基本は掴めるはず。
次のステップでは、コーナー進入時などのスピードコントロールに応用していきます。

最後に

フロントブレーキが怖いのは、まだ仲良くなれていないだけ。
慌てなくて大丈夫。少しずつ、ゆっくりと、信頼関係を築いていきましょう。

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