このページは、機械設計やDIY作業で便利な単位換算ツールとしてご活用いただけます。ブックマーク推奨!
ネジの締め付けトルク単位換算ツール
自動車整備や機械設計の現場で頻出する「トルク値」の単位換算を、手軽に行えるオンラインツールです。N・m(ニュートンメートル)、kgf・cm(キログラム重センチ)、lbf・ft(ポンドフィート)の3種類の単位に対応しています。
🔧 トルク単位換算ツール
🏍 よくあるネジサイズ別の目安トルク(バイク車体まわり)
ボルトサイズ | 参考トルク(N·m) | 主な使用箇所 |
---|---|---|
M5 | 3〜5 | ミラー、スイッチボックス、レバー固定など |
M6 | 8〜12 | ハンドルクランプ、ナンバーステー、ウインカー等 |
M8 | 18〜25 | ステップ、シートステー、タンデムバーなど |
M10 | 35〜45 | ステム周り、エンジンハンガー(一部)など |
M12 | 70〜90 | アクスルシャフト、リアサス下側など |
※あくまで一般的な車体部品における参考トルク値です。整備書に指定がある場合はそちらを優先してください。
🛠 締付トルク早見表とその使い方【参考値】
1. 標準締付トルク表(T系列/代表値)
ねじ呼び径 | 強度区分8.8 | 強度区分10.9 | 強度区分12.9 |
---|---|---|---|
M6 | 10 N·m | 15 N·m | 18 N·m |
M8 | 25 N·m | 35 N·m | 42 N·m |
M10 | 50 N·m | 70 N·m | 85 N·m |
M12 | 85 N·m | 120 N·m | 145 N·m |
M16 | 210 N·m | 300 N·m | 360 N·m |
M20 | 400 N·m | 580 N·m | 700 N·m |
※これは「T系列(標準摩擦)」条件下での目安トルクです。実際の使用条件に応じて補正が必要です。
2. 締結条件による補正係数(トルク × 補正係数)
補正要素 | 条件 | 補正係数の目安 |
---|---|---|
潤滑状態 | 無潤滑(ドライ) | × 0.85 |
潤滑状態 | 潤滑あり(グリス、モリブデン等) | × 1.15 |
表面処理 | メッキなし | × 1.00 |
表面処理 | 三価クロメート、ジオメット等 | × 1.10 |
座面 | 平座金あり | × 1.05 |
座面 | バネ座金あり | 軸力低下リスクあり(要検討) |
母材 | アルミ、樹脂 | ※トルクより引抜強度で管理 |
母材 | 鋼材 | × 1.00(通常) |
3. 軸力⇔トルクの関係式(参考)
T = K × F × d
T:締付トルク [N·m] / F:軸力 [N] / d:ねじ呼び径 [m] / K:トルク係数(0.18〜0.25程度)
※Kは摩擦条件・潤滑によって大きく変化します。
4. トルクトラブル事例と設計注意点
- アルミ母材に高トルク → 雌ねじ破損
- 潤滑してトルクそのまま → 軸力過大・破断
- 表面処理違いで軸力ばらつき → 緩みや脱落の原因
5. T系列・0.5系列・1.8系列の違い
系列名 | 摩擦状態 | 特徴 |
---|---|---|
T系列 | 標準(中摩擦) | 多くのトルク表が基準とする |
0.5系列 | 高摩擦(ドライ等) | 軸力が出にくくなる |
1.8系列 | 低摩擦(潤滑済み) | 軸力が出すぎることも |
同じトルクでも、軸力が1.5倍以上変化することがあります。設計時は注意が必要です。
📌 ご注意
このトルク表は、作業現場での目安値です。
設計時には必ず使用条件を考慮し、軸力計算または実測にて再確認してください。